「ランクル転売で儲かったけど税金は払わんぜ」は危険かも

お知らせ

■ 生活用動産なら非課税?その思い込みが命取りに。

こんにちは!税理士のマサジローです。
今日は最近ご相談の多いテーマ、「人気車の転売と税金」について、ハッキリと切り込みます。
というか、最近、知人と話していて、これは記事にしよう!と思ったのがきっかけですが(笑)

「車は生活に必要なモノだから、売って儲かっても非課税でしょ?」

そんな甘い幻想、そろそろ捨てましょう。


■ アルファードが2,800万円で落札!?税務署が黙ってるわけがない

例えば、2023年に発売された新型アルファード。
一部では、中古市場で新車価格の約3倍にあたる2,800万円超で取引されたという事例まであります。

こうした極端な転売益は、税務署の格好のターゲットです。

実際、福島県では育休中の税務署職員が中古車62台を転売し、
約2億円の収入を得て停職処分となる事件も発生しています。


■ 「生活用動産=非課税」は絶対じゃない

確かに、税法上は「生活のために使用していた動産」の売却益は非課税とされています。

でも、それが通用するのはこんなケースだけ。

  • 長年通勤に使っていた軽自動車を売った
  • 普段使いの自転車や家具を処分した

利益目的で購入・短期で転売した車は非課税ではありません。

車はリストには明記されていませんが、
「生活に通常必要かどうか」が判断基準になります。


■ こんな人、課税対象かもしれません

以下にひとつでも当てはまる人は、申告を検討した方がいいでしょう。

  • 購入から1年以内に売却し、100万円以上の利益が出た
  • 転売を複数回(年に2〜3台以上)している
  • 高級外車・限定モデルなど、趣味性の高い車を取引している
  • 転売用に車両を保管・整備している
  • 知人・家族の名義を利用して売買している

■ 所得区分で「税負担」が大きく変わる

ここからは、「あなたが売却した車は、生活に通常必要な資産に該当しません」
となった場合、どうなるかのお話をします。

車の売却益は、通常は「譲渡所得」に該当します。
この場合、年間50万円の特別控除があり、
さらに、5年以上保有すれば「長期譲渡所得」として課税は1/2に軽減されます。

でも、繰り返し売却していたら?

その場合、税務署から「それ、事業でしょ?」と「事業所得」や「雑所得」扱いされる可能性があります。

この判断は曖昧ですが、実務的には以下のような裁決例が多数あります。

「ネットオークションで反復的に生活用品を売却していた個人に対して、
生活用の処分を超えて付加価値を付けた営利目的の販売であるとして課税対象に」


■ 税務署はこう見る

税務署が見るのは、「金額」ではなく「構造」です。

  • 購入→短期保有→高額売却という一連の流れが意図的か?
  • 使用実態はどうか?(通勤か?飾りか?)
  • 継続性・反復性があるか?
  • 名義変更や支払い方法などに不自然さはないか?

彼らは、「生活用動産」という言い訳を鵜呑みにしません。
売却履歴、名義変更、振込記録、オークション出品履歴…全部見ています。


■ 知らなかったでは済まされない。申告しないとどうなる?

「税金かかるなんて知らなかった…」では通用しません。

税務署にバレた場合には、

  • 過去5年分の申告漏れ
  • 過少申告加算税(10〜15%)
  • 延滞税(年利最大14.6%)
  • 重加算税(最大40%)

といったフルコンボ課税が待っています。


■ マサジローからのメッセージ

最近は、普通の会社員や主婦の方でも短期売却で利益を得る時代になっています。
車転売は、もはや「副業」です。

「生活用動産だから税金かからない」ではなく、
自分の売却行為が事業っぽくなってないか?を、冷静に振り返ってみてください。

そして、利益が大きくなりそうなときや、複数台売ったときは、
必ず税理士など専門家に相談してください。

放置していても、税務署は「名義変更」や「自動車取得税の記録」から把握できます。

「知らなかった」は通用しません。
そして、確定申告していれば合法です。

副業であれ何であれ、「やったことに責任を持つ」──
これが納税者としての最低限のマナーになります!
ではまた!

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